a図1a,b 白板症.【特徴】①2~10%ががん化する.②一部はすでにがんかもしれない.③病理学的検査.④刺激の除去.⑤喫煙・飲酒など生活指導が必要.⑥経過観察.⑦切除,剔除生検.口腔潜在的悪性疾患 (OPMDs)白板症b態にあることを表現する意味で,口腔潜在的悪性疾患(oralpotentiallymalignantdisorders:OPMDs)とよばれるようになり,表1に示す12疾患がそれに含まれる.②OPMDsは「臨床的に明確な前駆病変であるか,正常粘膜であるにもかかわらず口腔におけるがんの発生リスクを有する臨床的状態」と定義することができる.リバーススモーキング関連口蓋病変慢性カンジダ症扁平苔癬円板上エリテマトーデス梅毒性舌炎日光性角化症(口唇のみ)均一型は全体的に不均一な形状や色調を呈する病変である.均一型よりも非均一型のほうががん化の可能性が高い(図1a, b).④生検によって上皮性異形成が認められるものは上皮内がんと診断し,切除することが多い.⑤経過観察を行う場合は,補綴物などによる機械的刺激の除去と生活習慣指導も同時に行う.⑥病変の大きさや形態,色調に変化を認める場合には,生検を行って上皮異形成の状態を確認する.①2017年改訂のWHO頭頸部腫瘍分類(第4版)で,従来の口腔の前がん病変(白板症,紅板症)と前がん状態(鉄欠乏性嚥下困難,扁平苔癬,口腔粘膜下線維症,梅毒)の概念が統合された.口腔粘膜にすでに発がんするリスクが高い病変を有する場合,その部位だけではなく口腔粘膜の他の部位にも同様の発がんリスクがある状表1 口腔潜在的悪性疾患(OPMDs:oral potentially malignant disorders).白板症紅板症紅板白板症口腔粘膜下線維症先天性角化不全症無煙タバコ角化症①日本口腔内科学会の白板症分類案では「臨床的あるいは病理学的に他のいかなる疾患の特徴も有しない口腔粘膜の白色の板状もしくは斑状の病変で,しかも病理組織学的に上皮性異形成の有無に関係なく用いる臨床的な病名」としている.②白板症のがん化率は,海外では0.13~17.5%で,日本では3.1~16.3%である.③臨床型を均一型と非均一型の2型に分類し,均一型は全体的に薄く均一な白色または灰白色の病変で,非4-4 口腔潜在的悪性疾患 (OPMDs) ① 白板症107
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