そのまま使える病院歯科・口腔外科への紹介状の書き方
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1た3.24.紹介状の書き方の例注意事項1. 病変が発生している部位,大きさ,色,形態  粘膜疾患の所見を記載する場合は,病変が発生している部位,大きさ,色,形態を記載する.触診で硬結などの所見があればそれも記載する.2.自覚症状などの有無  病変に出血・接触時痛などの自覚症状があれば記載する.鑑別診断の際に必要な所見となる.3. 病変の経過 患者が症状に気づいた時期がわかれば,その後の症状の変化とともに記載する.今回のように定期健診で見つかった場合には,その前の健診で当該の部位に所見があったかも記載する.それにより発症時期を推測できる.4. 飲酒・喫煙歴 口腔粘膜疾患の発症には飲酒と喫煙が影響することが多い.とくに口腔潜在的悪性疾患の場合は,上皮の異形成に大きく関わる.それらを知ることは診断や患者指導の一助になる..当院の1年前の検診の際には認め○○○○○○殿  性別 男・女生年月日明・大・昭・平・令 ○年 ○月 ○日 62歳病名(主訴)右側舌縁部の白色病変 平素よりお世話になっております. 上記の症状について精査の上,御加療をお願い致します. 患者は当院に定期検診で通院されている方です. 今回の定期検診の際に右側舌縁部に大きさ1cm×1.5cm,境界が明瞭,不整形で表面がやや粗造な白色病変を認めまし.接触時痛などの自覚症状はなく,綿球で拭っても除去することはできませんられませんでした 既往歴に特記すべき疾患はありませんが,20歳時から現在まで20本/日の喫煙をしています.飲酒は週1回,ビールを1~2本です 当院では投薬も含めてとくに治療はしていません. 精査と加療をお願い致します.ふりがな患者氏名②精査によって得られた診断により,その後の方針を決めることになる.したがって,紹介にあたって患者には「診断のために生検などの必要性があり,それができる総合病院の口腔外科に紹介する」程度の説明にとどめて,詳しい説明は紹介先に委ねることが望ましい.①口腔粘膜疾患は臨床所見だけでは診断に至らないことが多い.口腔潜在的悪性疾患は悪性の病変との境界病変であるが,すでに悪性化している場合や病理組織検査により一部に悪性の変化を認めることもある.白色を呈する病変は口腔がん,口腔カンジダ症などとの鑑別が重要であるため,二次医療機関で精査を行っておく必要がある.CHAPTER❹粘膜疾患・がん・口腔内科的疾患106紹介のポイント4-4 口腔潜在的悪性疾患 (OPMDs) ① 白板症

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