21井上 和ぶっちゃけK’s seminar主宰歯科衛生士塚崎雅之昭和医科大学歯学部口腔生化学講座教授・歯科医師(文献2をもとに作成)中の骨は1年間で10%ほどがリモデリングされているのです1。リモデリングのおかげで、骨を折ってもほぼ元通りに修復されます。中でも、顎の骨の新陳代謝は盛んで、そのおかげでインプラント治療、矯正治療、抜歯窩の治癒、歯周組織再生療法などが可能になるのです。骨が傷ついても新陳代謝というシステムがあるおかげで修復されます。造血幹細胞白血球赤血球血小板海綿骨皮質骨つねに新陳代謝が行われている筆者は患者さんに歯周炎について説明するとき、「あなたは歯周炎です。歯周炎は顎の骨がなくなる病気。骨がなくなるので歯がグラグラして抜けます」と話しています。歯周病なんて歳をとればみんななる病気だと思っている。「歯ぐきから血が出るようになるんでしょ」って軽く考えている。いやいや骨がなくなる病気なんですよ、顎の骨がなくなるんですよ、大事件です! 歯科衛生士も意外と知らない骨のこと、骨がわかれば歯周炎がわかる。おさらいしましょう。 「骨」と聞くと何を思い浮かべますか? 頭蓋骨? 肋骨? 大腿骨? 骨と聞くと硬い塊を想像されるかもしれませんが、骨の中には骨髄があり、赤血球、白血球、血小板など血液細胞の元が作られています。コンクリートの塊のようですが、実は新陳代謝が行われていて、古い骨や傷ついた骨が壊され、新しい骨が作られています。これを骨のリモデリングと呼びます。身体18骨の外側には皮質骨と呼ばれる密で硬い部分があります。内側には海綿骨。スポンジのように空洞があります。中には動脈、静脈があり、栄養が送られ、新陳代謝されています。骨髄と呼ばれる部分では血液細胞の元になる細胞が作られています。CHAPTER骨の構造骨について、おさらい
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