DHが意外と知らない知識をまとめてみた
2/6

 醤油味や塩味のお煎餅、おいしいですよね。味を感じるのも唾液のおかげです。お煎餅をそのまま舌の上に載せただけでは、味は感じられません。お煎餅が粉々になり、その中に含まれている味物質が唾液に溶け、 空気中には、多くの細菌やウイルスがいます。口を開けていれば、それらは口腔内に入り込みます。しゃべっていても、笑っていても入ります。 唾液には体を守る、さまざまな物質が含まれています。たとえば、免疫抗体であるIgA(アイジーエー)やラクトフェリンです。IgAはウイルスなどに付着して、ウイルスが体内に入り込むのを阻止しています。また、糖タンパクであるラクトフェリンは強い抗菌活性をもっています。ヒトにとっても細菌にとっても、鉄は必要なミネラルのひとつです。ヒトの場合、70%が赤血球のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンに存在します1。ラクトフェリンは細菌に必要な鉄を奪うことで細菌の増殖を抑制しています。また、酵素であるリゾチームは、細菌の細胞壁を分解し、活動を停止させます。 他にもヒスタチン、ラクトペルオキシダーゼなど、たくさんの抗細菌作用、抗ウイルス作用をもつ物質が唾液には含まれていて、口唾液が舌の表面にある味蕾に味物質を届け、味蕾が味を感じるのです。お煎餅がおいしく食べられるのは、唾液のおかげなのです。毎日の食事がおいしく食べられるのは、唾液のおかげです。から外敵が体内に侵入するのを防いでくれているのです。まるで優秀な門番たちのようです。口は身体の入口なので、唾液にある免疫抗体などが身体を守っているわけです。食べ物の味が感じられる異物から体を守るPART1 CHAPTER1 唾液について、おさらい11味成分が唾液に溶けて味蕾に運ばれることで、味が感じられます。IgA、ラクトフェリン、リゾチームなど、唾液はさまざまな防衛部隊を用意しています。

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る