オーバーレイ修復 超入門アンレー18 オーバーレイというのは,図1に示すように,咬合面をすべて覆った接着性修復物のことを示す.オクルーザルベニアやテーブルトップクラウンなど論文でも呼び方はさまざまであり,専門用語として完全には定まっていないのが現状である. 用語として馴染みのあるアンレーは「1つまたは複数の咬頭および隣接,咬合面,または咬合面全体を修復する部分修復物.機械的または接着的手段により保持されるもの,パーシャルカバークラウン」とされている.よってオーバーレイはアンレーの一部といえるが,本書ではわかりやすいようにFerrarisの分類1を使用する.Ferrarisは,アンレー;1つ以上の咬頭被覆,オーバーレイ;咬頭を完全に被覆,ベニアレイ;頬側歯質を含んだオーバーレイと分類している. オーバーレイの典型的な臨床例をCase1に示す.₇に近遠心および頬側-口蓋側に及ぶインレーが認められる.患者は時折生じる咬合痛を自覚している.下,IDS)を行い,二ケイ酸リチウムガラスセラミッ Immediate dentin sealingとは象牙質の即時封鎖である.う蝕除去や形成後,すぐにボンディング材,CRで象牙質面を覆うこと.CHAPTER6(P93)から詳しく解説!ベニアレイ 口蓋の歯質は一部欠け,インレーとの隙間が認められる.インレーを除去すると残存エナメル質は薄く,窩底部にはクラックを認めた.う蝕を除去し,支台歯形成,immediate dentin sealing(以クス(以下,二ケイ酸リチウム)で製作したオーバーレイを装着した.このように,多歯面にわたる修復物,薄い残存歯質,象牙質に及ぶクラック,咬頭被覆が最小限に必要な歯などがオーバーレイの適応である.咬合面を覆っているが, フルクラウンのように全周を 歯頸部まで削らない修復物をオーバーレイというコラム②IDSとは?オーバーレイ図1 Ferrarisの分類.1
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