LOTを知る
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けている.感染はコントロールされても位置不正(mal-position)の問題のみで抜去される歯があるとすれば,矯正の果たす役割は大きい.したがって,PTMを解決する手段としてLOTのアプローチは有効であり,もしGPが一部の矯正を自ら行うというのであれば,パターンが決まっていて難易度の低いこの分野こそが入口になるだろう.▲PTM解決にLOTは大きな力となる.■コラム:PTMとは何か?第12章 LOTとペリオ6.加治初彦.「GP−矯正医」連携の現状を考える.第2回 専門医に送るなら何を判断基準にするべきか.theQuintessence.2009;28(3):96‐106.7.HelmS,PetersonPE.Causalrelationbetweenmalocclusionandcaries.ActOdontolScad.1989Aug;47(4):217‐21.8.HelmS,PetersonPE.Causalrelationbetweenmalocclusionandcaries.ActOdontolScad.1989Aug;47(4):223‐8.9.加治初彦.「GP−矯正医」連携の現状を考える.第4回 日常臨床で活かす矯正 Part1.theQuintessence.2009;28(5):68‐80.10.加治初彦.「GP−矯正医」連携の現状を考える.第5回 まとめ:連携の理想を求めて.theQuintessence.2009;28(6):72‐82.・ペリオ患者の包括的治療のなかで,病的移動をした歯に対する矯正は,全体の治療のなかではあくまでも補完的.したがって,LOTの適用は選択肢となる場合が多い.・矯正治療介入のめやすはBOP(−),ポケット3mm以下.・骨サポートの少ない歯は力が増幅する.動的治療時は力のかかりすぎに注意.・ペリオとのかねあいでは,原則として保定は固定.・歯周外科によるアプローチは,原則動的治療後に行う.PTM3分野①側方歯群近心傾斜②下顎前歯の叢生と挺出③上顎前歯のフレアリング▲頻繁に臨床で問題となるPTMの3分野.表2 ペリオ患者の矯正. PTM(Pathologic Tooth Migration)とは,病的歯牙移動のことである.たとえば,₆欠損を放置後の₇の近心傾斜もこの範疇に入るかもしれないが,臨床でよく問題となるのは,ペリオによる骨破壊をともなった移動である.歯のこの種の移動は,感染の除去が終了した口腔内で咬合安定化のための補綴作業に入る際に障害となることが多い.筆者はPTMの3分野としてその内容を位置づ93参考文献1.AinamoJ.Relationshipbetweenmalalignmentoftheteethandperiodontaldisease.SandJDentRes.1972;80(2):104‐10.2.WennströmJL,LindheJ,SinclairF,ThilanderB.Someperi-odontaltissuereactionstoorthodontictoothmovementinmon-keys.JClinPeriodontal.1987Mar;14(3):121‐9.3.加治初彦.上顎前歯のフレアリング症例.theQuintessence別冊/臨床家のための矯正YEARBOOK’99,東京:クインテッセンス出版,1999:268‐77.4.EricssonI,ThilanderB.Orthodonticrelapseindentitionswithreducedperiodontalsupport:anexperimentalstudyindogs.EurJOrthod.1980;2(1):51‐7.5.星野亨.矯正治療を生かしたチームアプローチ.矯正治療を補綴処置の流れのなかでどのように位置づけるか.theQuintessence別冊/臨床家のための矯正YEARBOOK’99,東京:クインテッセンス出版,1999:141‐6.

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