LOTを知る
3/6

図18a〜c 上顎前歯のフレアリング,右側側方歯群の近心傾斜,下顎前歯のクラウディングなどのPTM症状がみられる.患者は骨格系にズレがなく(skeletalⅠ級),かつての口腔内もAngleclassⅠであったと思われる.バックグラウンドのよいこのようなケースは一見困難性が高くみえても,比較的取り組みやすいといえる.図18d〜f 上顎臼歯部のインプラントは,フレアリング改善の固定源を与えると同時に高径を再獲得し,上顎前歯口蓋側牽引の際の干渉を防いでいる.インプラントの埋入は,結果としてLOTの難易度を大きく低下させている.図18g〜i 下顎はレベリングしたのみで,天然歯で排列が完成している.対合歯である上顎歯列はほぼすべて補綴歯のため,安定した臼歯部咬合とともに良好なアンテリアカップリングが得られている.をするようであれば,当分連結したプロビジョナルレストレーションを入れておき,その後に歯冠部を連結して固定を行えばよい.しかし,臨床では歯冠部に大きな問題がなく,キャッピングが必ずしも必要ない場合も多い.このような場合,A-splintなどは,長期的には安定性に欠くことも多いが,クラウンでキャッピングするような侵襲の大きい治療が先延ばしにできれば,それに越したことはない.連結態修正,抜根等)は,動的治療後最低6か月程度間をについては,長期的にペリオのメインテナンスをかねて観察していく必要がある. ペリオに対する確定的なアプローチ(flap,骨の形おいたほうがよいであろう.最終補綴装置は,ペリオに十分配慮するべきであることはいうまでもない. 最後に,臨床での矯正とペリオのかかわりを表2に示す.abcdefghi92症例3:臼歯部にインプラントを埋入したPTM改善ケース

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る