アライナー矯正治療戦略
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⬅×⬅×治療開始後7か月時治療開始後1年3か月時エラスティック:3/16インチ3.5オンス治療開始後4か月時オーバージェットの過大なAngleⅡ級1類症例であり、上顎両側小臼歯抜歯の治療方針が適している。臼歯関係がFull Class IIであることから最大固定で上顎臼歯はまったく近心移動させることができない。そのため固定源に配慮する意味でⅡ級ゴムを使用してもらい、アンカレッジロスを最小限にしていくこととした。Ⅱ級仕上げの方針では治療中に上顎第三大臼歯が早期萌出してくることがあるが、下顎第二大臼歯と咬合するよう萌出誘導する。初診時治療終了時(61枚め/61枚中)◦上顎臼歯は長方形アタッチメントを多く設置し、移動量を最小にすることで、上顎前歯を後方移動するための固定源としての役割を集中して担わせる◦下顎前歯はオーバーバイトを改善するために、ルートリンガルトルクを付与し圧下する◦バイトランプを33に設置し、遠心移動時の挺出を予防する◦アライナー交換を10日ごととすることで抜歯スペースをゆっくり閉鎖し、アンカレッジロスを防ぐCHAPTER 2 アライナー矯正治療のケース別戦略CASE3-2 Ⅱ級不正咬合 Full ClassⅡ上顎臼歯の近心傾斜が起きていないか、来院ごとに入念に観察した。治療は特に大きな不適合もなく順調に進んだ。治療開始後1年6か月、初回アライナー使用時(60枚め/61枚中)の口腔内写真。Full ClassⅡの臼歯関係は維持され、犬歯関係はⅠ級になった。患者は下顎前歯のブラックトライアングルの改善を希望した。92治療計画初回アライナー治療経過リファインメントClinCheckシミュレーションの調整

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