KaVo ダイアグノカムVision Full HD図❶ 前歯部の透照診。隣接面う蝕の検査にも適している図❸a、b デジタル光ファイバー透過照明(FOTI法:a)と近赤外線透過照明(b)によるエナメル質う蝕の外観を比較した画像。FOTI法は光の散乱が大きいため、診断が困難である図❷ トランスイルミネーター『KaVo DiaLUX 2300L』abab9波長(㎛)図❹ 近赤外光の分類(注:1㎛=1,000nm)カメラ光源クリップγ線・X線・紫外線可視光線01 近赤外光(NIR Light)を用いた臼歯部隣接面う蝕の診断0.7〜0.8㎛2.5㎛0.40.8図❺a、b KaVo ダイアグノカムVision Full HD本体(a)と撮影原理(b)。光源クリップより860nmの近赤外光が発せられ、歯槽突起から歯根、歯冠を経てカメラに記録される近赤外線中赤外線歯槽突起4.0㎛1,000㎛1,000遠赤外線赤外線マイクロ波精度が落ちる。デジタル光ファイバー透照明(Fiber-Optic Transillumination:FOTI)法と近赤外線透過照明を比較すると、FOTI法は光の散乱が大きいため、診断がより困難である(図3)3)。 近赤外光 (Near Infrared Light:NIR Light) 近赤外光は、おおよそ700nmから1,000㎛の波長帯の光であり、人間の視覚の上限と言われる760~830nmより長い光でほぼ知覚できない(図4)。われわれの身のまわりにあるたいていの物質は、近赤外光をほとんど吸収しない(厳密には少し吸収する)。すなわち、近赤外光はたいていの物質を透過することになる。 近赤外光は、X線や紫外線などと違って、たとえば人体に照射されてもほとんど悪影響のない安全な光である。身近なところでは、テレビやエアコンなどのリモコン、CDプレーヤーといった光ファイバー、ワイヤレスデジタル通信などの光通信に用いられている。1.撮影原理(図5) 860nmの近赤外光を用い、ハンドピースの先端から発せられた近赤外光が歯肉および歯槽骨を通って歯冠に達し、CCDカメラによって咬合面より撮影する。光透過を遮断する部位(う蝕)は暗色領域(ダークスポット)として描出される。2.適応の難しい症例1) ハンドピースを口腔内に入れることのできない患者
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