診断力アップのための口腔疾患Q&A 83
13/22

❶ Hunter舌炎❷ 口腔扁平苔癬❸ ベーチェット病❹ Plummer-Vinson症候群多発する口内炎患者 69歳、女性主訴 難治性口内炎の精査加療現病歴 X−1年ごろよりむし歯になりやすく、口腔乾燥症状を認めるようになり、口内炎が多発するため、近医で時々軟膏の塗布を受けていた。X年6月、多発性口内炎で他院を受診し、カンジダ培養検査が陽性であったため、抗真菌薬の投与を受けるも口内炎は消失せず、疼痛が増悪、味覚異常も感じるようになった。そのため、精査加療の目的で、同年7月、他院診察となった。既往歴 60歳時、胃がんにて胃全摘手術を受けた。アレルギーなし。現症 身長159㎝、体重47㎏でやや痩せ型。所属リンパ節腫大なし。舌乳頭萎縮(平滑舌)、溝状舌、一部口内炎様のびらんを呈する(図1)。臨床検査 サクソンテスト2.8g/2分(正常)、カンジダ培養再検査(−)であった。血液検査 かかりつけ内科に依頼して血液検査を施行した結果、以下の結果が得られた。赤血球数 181×104/μL、Hb 8.4g/dL、Ht 24.1%、MCV 133fL、血清鉄 125μg/dL、フェリチン定量 23.5ng/mL、LDH 360μ/L、血清ビタミンB12 92pg/mL、葉酸17.1ng/mL図❶ 初診時口腔内写真。舌乳頭の萎縮、発赤、一部びらん、溝状舌を認める075口腔粘膜の異常最も疑われる疾患名は?3535Q.

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る