1. 考案に至るきっかけ2016年、マイクロスコープ「ライカM320」を導入し顕微鏡歯科治療にのめり込んだ筆者は、日本における顕微鏡歯科治療のパイオニアである三橋 純先生に師事した。師の教えからモータライズドマイクロスコープの有用性、必要性を感じ、2017年に「プロエルゴ」を購入。その後も見学のためにクリニックへ何度も足を運んだ。CHAPTER 1CHAPTER 1008そこで教えていただいたフローレジンの表面張力を利用して滑らかな充塡を行うテクニックである「Surface Tension Control Technique」1)に感銘を受け、見様見真似で取り組んでいた。あるとき、オレンジフィルターをかけ忘れてこれを行った結果、マイクロスコープの強力な照明によりフローレジンが硬化を開始して失敗してしまった(図1)。しかし、その失敗から「マイクロスコープの照明でフローレジンが硬化を開始してしまうのであれば、3Dプリンターと同じことができるのではないか?」という発想に至った。おそらく、使用しているマイクロスコープのライトがハロゲン光源である三橋 純先生は、オレンジフィルターをかけ忘れてもほとんど硬化を起こすことがないため、そのような発想に至らなかったが、筆者の顕微鏡はキセノン光源であるため、硬化が顕著に発現し、思いついたテクニックであるといえる。概要3D printer techniqueとは何か?
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