COLUMN3D printer technique開発以前はもちろんマトリックスを使用していたが、マトリックスの適合を得るための苦労と時間、マトリックスの形態を狙いどおりに整える難しさ、そして充塡後のラバーダムを撤去した後に待っている形態修正と、若干の隙間から漏れ出したフローレジンのバリをすべて除去する作業にいつも辟易していた。拡大鏡を使用していたころは、細かなバリは気づかなかったが、マイクロスコープを使用し始めたことで、その煩雑さに気づくようになった。隣接面のCR充塡法として、マトリックスの使用は古くから常識であり、皆それに縛られているため、「より適合しやすいマトリックスの開発」や「どうやってマトリックスをより適合させるか」という方向でしか考えられない。知らず知らずのうちに「マトリックス」に縛られているのである。022マトリックスの呪縛
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