PART1PART2PART4PART3adadbebecc120別冊the Quintessence 「マイクロデンティストリー YEARBOOK 2025」2 Dental Hygienists’ Case Presentationいと感じていた患者でも,拡大された患者自身の口腔内を見せ,実際に行った処置内容を説明することで,これまでは得られなかった反応や映像を見て感じた疑問(「この黒い部分はむし歯ですか?」など),さらには歯科医師には直接いいにくい内容のことまで,患者から話してくれるようになった. 会話が増え,スムーズにやり取りができるようになることで,気になることや伝えたいことを共有し,お互いが納得して処置を終えることができていると実感できるようになった.これらのことは,日々の診療を行ううえでの自信につながり,患者との信頼関係の構築やコミュニケーションのきっかけにもなっていた.マイクロスコープは,患者と歯科衛生士,歯科医師をつなぐ架け橋になると感じた(図6).図4a~e 矯正歯科治療を希望していない患者の下顎前歯叢生部に対するブラッシング指導を行った症例.a:下顎の口腔内写真.b, c:下顎前歯部を2TONEにて染色.d:ワンタフトブラシを選択.実際に当て動かす様子を記録し,適していることを説明.e:1か月後の再評価時の口腔内.「家でみがく際もイメージがしやすかった」とのことで,下顎前歯叢生部のブラッシングに改善を認めた.図5a~e 「歯ぐきの違和感」を訴える患者に対し,縁下歯石除去を行った症例.a:歯間乳頭部に発赤および腫脹を認める.b:頬側から直視.倍率を上げると,₂遠心部に黒色の縁下歯石の沈着を認めた.c:ミラーを用いて口蓋側からも確認.d:歯肉を傷つけないよう,拡大視野で確認しながら慎重に歯石を除去していく.e:残石の確認.
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