インプラントYEARBOOK 2025
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理想的なインプラントデザインとはインプラントデザインが指すもの15澤瀬 隆 Takashi Sawase公益社団法人 日本口腔インプラント学会理事/教育・研修委員会委員長長崎大学生命医科学域(歯学系)口腔インプラント学分野教授 今回は本書の巻頭特集にふさわしいテーマである「インプラントデザイン」について,インプラントシステムの開発にも携わった経験をもつ長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔インプラント学分野の 澤瀬 隆教授にお話をうかがった.(編集部)編集部:本書『インプラント YEARBOOK 2025』は,本邦におけるインプラントシステムを幅広く網羅し,最新の情報を臨床家に提供するために編纂いたしました.多数のメーカーから情報提供いただいたことにより,本邦の日常臨床で使用されているほとんどのインプラントシステムが収載されています.俯瞰してみますと,実に多くの,そしてさまざまなデザインのインプラントシステムが存在します.今回はインプラントデザインをテーマとして,誌上インタビューを企画しました.さて,早速ですが「理想的なインプラントデザイン」について先生のお考えをお聞かせください.澤瀬:結論を先に申し上げると「他を凌駕するベストなインプラントデザイン」は存在しません.わたしたち臨床家は,それぞれのインプラントシステムの特徴,すなわち長所だけでなく短所も理解したうえで使用しなければいけません.インプラントデザインは,1981年にTomas Albrektssonが提唱した「オッセオインテグレーションを達成するための6つの重要な因子(図1)」1のひとつとして紹介されました. Albrektssonによるインプラントデザインとは,シリンダー型やスレッド型のようなインプラント体の外形形状だけでなく,1回法や2回法,そしてインプラント体とアバットメントの接合様式を含めたインプラントシステムのデザインを指します. オッセオインテグレーテッドインプラントは,Brånemarkによる2回法インプラント(ボーンレベインプラント(ティッシュレベルインプラント:TL)に端を発します.Brånemarkは,無菌的な骨治癒のためにインプラント体を骨内に埋入後,完全閉創す巻頭特集ルインプラント:BL)と,Schroederによる1回法

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