MRONJへの対応図3 当該部の骨面露出,排膿を観察.下歯槽神経麻痺はない.図4 患者全身状態も良好なため,6543 │の抜歯と,分離骨除去と掻爬術を局麻下において行った.経過 同時期のCT検査で分離骨を確認,ステージ2と診断(図2).BP製剤,抗RANKL抗体・デノスマブ処方歴のある患者の抜歯に際して,術後感染の注意に欠けていた.ステージ 抜歯後の来院時はステージ2(抜歯前はステージ0〔日本版PP 2016〕).治療内容 患者全身状態も良好なため,6543 │の抜歯と,分離骨除去と掻爬術を局麻下において行った(図4).腐骨除去と掻爬術を行う.下顎管への交通はない.このまま経過観察とする.術前投与,完全閉鎖をする.腐骨除去時にAMPCを1週間経口投与する.治療の概要 ステージ2に対して外科療法を選択し,良図5, 6 術後6か月の口腔内とパノラマエックス線画像所見.comment ステージ0(日本版PP 2016)の病態に気づかず5 │残根を抜歯し,MRONJのステージの進行を来たした症例.ARA処方中の画像確認の重要さを再認識した症例であった.抜歯時に抗菌薬投与なく,開放創で対応したとのこと.画像所見から遠心隣在歯の抜歯とともに分離骨除去が功を奏したと考える.BPから抗RANKL抗体への移行症例はとくに注意を要する.CHAPTER 6 MRONJ発症後の治療3456好な結果を得た.ARA休薬 (期間と再開の有無)休薬なし.予 後 創面の閉鎖状態は良好,術後6か月の口腔内と画像所見を示す(図5, 6).83
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