5-Dコンセンサス 歯の保存にこだわる
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図7a 初診時の口腔内写真.46歳,男性.₂の歯肉の腫脹と疼痛が主訴で来院された.₂₁の上部構造体の不適合が認められる.図7b 同デンタルエックス線写真.₂には太いメタルコアが装着されており,根管充填は不十分である.根尖部には炎症性吸収像がみられ,大きな透過像が認められる.₁にも太くて長いメタルコアが装着され,根管充填はされていない.図7c 同CBCT写真.₂の根尖部に嚢胞と思われる大きな透過像がみられた.唇側と口蓋側の皮質骨が広範囲に吸収され,根尖側では鼻腔底近くまで達する骨吸収像が認められた.図7d 根管充填後のデンタルエックス線写真.根管拡大時に根尖よりガッタパーチャポイントの削片を押し出してしまった.図7e 根尖部を約3mmカットした.図7i 歯根端切除後のデンタルエックス線写真.₁はorthogradeの根管治療を行い,MTAを充填している.図7j 術後半年経過時のデンタルエックス線写真.広範囲の透過像は消退し,病変が治癒傾向にあることが確認できる.図7k 同CBCT写真.嚢胞腔内は骨補填材の不透過像で満たされている.唇側,口蓋側にも過不足なく骨補填がなされていることがわかる.図7l 術後1年経過時のデンタルエックス線写真.治癒が認められたため,₂にメタルコアを装着し,上部構造体の作製に移る.図7g 形成した窩洞にMTAを填入する.abcdijkl図7f 超音波チップにて約3mmの逆根管形成を行った.造体を装着し(図7m),約8年後のデンタルエックス線写真(図7n),および₂₁のCBCT像(図7o,p)からも病変の再発はみられない.健全歯質の量がきわめて少ないため,将来的に歯根破折が懸念される385CHAPTER7 難治性根尖性歯周炎図7h MTAの填入後.5 最初からretrogradeを行ったケース症例5囲に認められた広範囲の透過像は消退し,病変が治癒傾向にあることが確認された(図7j,k).1年後のデンタルエックス線写真では,治癒が認められたのでメタルコアを装着した(図7l).その後,上部構

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