る57.図20a〜c 下顎臼歯部の補綴装置の再製に先立ち,天然歯周囲にほぼ角化歯肉はないため,CMR法を用いたstrip gingival graftを行った.なお,第二大臼歯にはインプラント埋入を行っている.図20d,e 術後2週間,3週間後.リグロスを応用しているため,歯肉の治癒促進は早く思われる.図20f,g 補綴装置装着後の口腔内写真およびデンタルエックス線写真(術後1年).表5 FGGと比較してCMR法を用いたstrip gingival graftと利点・欠点.利点・口蓋からの採取量が少なく,低侵襲である・術後の歯肉が自然であり,瘢痕様組織を呈さない欠点・術後の収縮量が大きいabcdfegいわれており,それに比較して収縮が大きいため,細い遊離歯肉の設置部位の配慮が必要である.しかしながら,口蓋からの角化歯肉の採取量が少なく,術後のFGG特有の経年的により顕著な瘢痕様組織で治癒する形態(グラフトアイランド)に比較してナチュラルな歯肉像を呈することが期待できる. したがって,筆者らはかつてFGGを応用していた天然歯・インプラント周囲には,このテクニックを応用することが多い(症例13:図20,表5).297CHAPTER5 切除療法症例13下顎臼歯部にCMR法を用いたstrip gingival graftを行った症例(症例:船登彰芳)ことを目的として,天然歯・インプラント周囲に角化歯肉を獲得する手法に由来している54, 55.そして,同様に,天然歯周囲でも応用可能である56. この術式の注意点は,細い遊離角化歯肉の設置である.まず,遊離歯肉の近遠心は天然歯の角化歯肉とで,粘膜の侵入を防ぐように設置する必要がある.Urbanらは,このテクニックでの下顎では平均40%程度,上顎では50%程度の収縮があったとしてい 一般的に,通常のFGGの術後吸収は30%程度と
元のページ ../index.html#5