Next Generation Direct Printing In-House Aligner System形状記憶機能付ダイレクトプリントアライナー矯正装置の登場ダイレクトプリントによるアライナー矯正装置の可能性熱可塑性アライナーと形状記憶アライナー素材の比較Part3 Shape Memory Aligner アライナー矯正装置の歴史の中で何回か革命的な進化を遂げるターニングポイントがあった。 第1世代では、アルジネート印象から石膏模型にて製作されるアライナーは1枚のみの製作であった。 第2世代では、シリコン印象、そしてその歯型をスキャンし、デジタルデータ化しコンピュータシミュレーション上で歯を少しずつ移動させる技術を使用することで、1回の歯型の印象採得から歯を何ステップ先までのアライナーを製作することが可能になった。 第3世代では、さらに口腔内スキャナーの登場によりダイレクトに歯型データをコンピュータ上に取り込むことができるようになり、より精密な歯型データから製作されるアライナーが登場した。アライナーの素材が1層から3層、そして多層構造に進化し、より歯を移動させるのに適したマテリアルが開発された。 しかし、ここまでは歯型データを一度、歯型の模型データに置き換え、その模型に熱可塑性のアライナーを温めて軟化させてプレスして製作していた。それにより適合の良い部分と悪い部分、厚さの厚い部分と薄い部分などの問題があった。330図3-1A・熱可塑性素材と比較して持続的な矯正力にて歯の移動を行う・熱可塑性素材と比較して優しい矯正力(約1/9)で同じ移動が可能(P334、図3-1G参照)・熱可塑性素材と比較してアンダーカット部のブロックアウトが少なくて良いので適合が高い・熱可塑性素材のプレスによる製作とプリンティングによる製作の違いにより歯と適合が良い・ 熱可塑性素材はチューイ等を使用して噛み込むことで歯に適合させるが、形状記憶素材はお湯に入れてアライナーが軟化後に口腔内装着して時間経過すると適合する 第4世代では、3Dプリンターの性能が向上し、院内での内製化によるアライナー製造が可能になった。しかし、模型から外す際に若干の形態変化などもあった。 そして第5世代として、今までの概念を大きく飛び越えて進化を遂げたアライナーがついに登場する。模型を製作せずに直接3Dプリンターでアライナーをプリント製作する技術が開発された。これは模型に圧接するステップをスキップすることでアライナーと歯との適合が約3倍に向上する。歯の適合率が高い方がアライナー矯正治療において重要である。さらにGraphyが開発した直接プリントするアライナーの素材は「形状記憶機能」が搭載されている。形状記憶機能は矯正治療を行うものであれば誰でも理解できるマルチブラケット法におけるNiTiワイヤー(ニッケルチタンによる形状記憶ワイヤー)と同じく歯の移動にとても有効である。3Dプリンターによるダイレクトプリントによって、ついにアライナー矯正装置のプラスティックに形状記憶機能が搭載された。これにより、世界的にもアライナー矯正治療の分野では革新的な進化と新しいアライナー矯正治療の可能性が期待されることになった。矯正力の効果時間矯正力の強さアライナーの適合力歯との適合性装着の方法Aligner GenerationShape Memory Aligner
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