アライナーならではの側方拡大のタイプ別アプローチフォーメーション側方拡大Chapter1 Crowding67図2-1E スクウェアアンカレッジ(固定源となる歯を赤丸で示す)。図2-1F トライアングルアンカレッジ(固定源となる歯を赤丸で示す)。 アライナーはMBSの拡大の方法とはまったく違う移動方法を行うことができる。以下にアライナー矯正治療ならではの拡大方法を4つ解説する。①同時側方拡大②フォーメーション側方拡大③順次側方拡大④ブロック側方拡大① 同時側方拡大 側方拡大は拡大する方向に空間があることで移動は行えることと、拡大する歯と固定する歯が相対しているので、同時に行うことができる。そしてMBSの拡大とアライナーの拡大の一番違う大きな点は前歯部を含めている拡大か? 前歯部を拡大せずに側方歯のみの拡大を先に行うか? にある。 MBSの場合はレベリングワイヤーにて歯列全体をレベリング、側方拡大を行うことは歯を配列する際に大変メリットがある反面、骨のない部分に歯根が移動してしまう危険がともなっているということである。 しかし、アライナー矯正治療における側方拡大は、前歯部の移動は側方歯の拡大が終わり犬歯と側切歯の間に「空間」ができてから移動ができる。この最大のメリットは前歯部の歯根を骨のない前方に移動させるリスクを低下させることにある。 ② フォーメーション側方拡大 フォーメーション側方拡大は、4つの固定源(移動しない歯)とその間の側方拡大する歯に分けて行う方法である。 左右の第二大臼歯(第三大臼歯が存在する場合は第三大臼歯を利用)と左右の犬歯を固定源(移動しない歯)としてその中間の歯を側方拡大を行う。この方法の最大のメリットは中間の歯(4本〜3本)を同時に拡大させるとともに固定源の歯が存在しているので、拡大に左右差が出ない、より確実な移動結果が期待できる。 このフォーメーションの方法にはスクウェアアンカレッジ(4本固定源で左右側方拡大)とトライアングルアンカレッジ(3本固定源で少ない固定現側の方拡大量が多い)がある。AlignerTechnique 17AlignerTechnique 18
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