患者さんは、知人がワイヤー矯正装置にて治療をしているのを見て、見た目の悪さと歯磨きが大変そうとのことでマウスピース型装置による矯正治療を希望。健康な歯を抜歯することに強い抵抗があることから、非抜歯による治療を行う。非抜歯による治療の場合、口元の突出感の改善はできないことを説明して了承を得た。大臼歯関係はI級のため、叢生改善のためのスペースは上下顎歯列の拡大とIPRを行い確保する。CT検査の結果から、歯列の拡大量は上下顎とも片側1.5mm行い、歯槽骨から逸脱しないようにする。IPR量を上顎は第二小臼歯間で0.5mm、下顎は第一大臼歯間で0.5mm行い、歯槽骨から逸脱しないようにする。上下顎ともに狭い歯列弓形態は、幅径の拡大を行うことでアーチ型に改善する。ーバーコレクションを加えるようにしている。上顎前歯舌側傾斜改善のため、アライナーの唇側切縁付近にパワーリッジ(アライナーの内面に向かう突起)の設置を行う。正貌のスマイル写真より、上顎前歯の露出が大きいため上顎前歯の圧下にオーバーコレクションを加えて行う。舌側転位している22のコントロールは難しくアンフィットを起こしやすいため、アタッチメントは必ず設置をする。11は舌側傾斜をしているので、歯根のみの舌側への移動を大きめに付与しオ31for Dentistデジタルシミュレーション移動前治療後症例提示者:山澤秀彦/目白歯科矯正歯科動画でCheck!シミュレーション治療計画デジタルシミュレーションのポイント・留意点
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