る43.cFIG 13c 骨移植(EMD+Xenograft).縫合(水平マットレス縫合+単純縫合)する.bFIG 13b 歯冠側方向へフラップを翻転し,歯間乳頭部骨欠損の肉芽組織を除去する.aFIG 13a 健全な骨の裏打ちがあるところでの可動粘膜部の水平切開. また彼らは,NIPSAとMISTの創傷部の閉鎖(wound closure 〔WC〕)を評価して,切開線の完全な閉鎖をWC2,切開領域にフィブリン塊がある不完全な閉鎖をWC1,歯間部領域における境界と再生バイオマテリアルの露出がある不完全な閉鎖をWC0として分類した.その結果,MISTではWC2が6例,WC1が4例,WC0が5例であったのに対し,NIPSAではWC2が11例,WC1が4例,WC0が0というものであった.すなわち,切開線の完全閉鎖WC2がMISTで40%であるのに対しNIPSAでは73%とより有利に起こることが示された.NIPSAは歯間乳頭の保存に有利にはたらくだけでなく,歯冠側方向への移動や結合組織移植の併用により,より審美的な結果と骨再生をもたらすことが期待されている(FIG 13).NIPSAの応用①結合組織移植を併用したNIPSA26歯肉退縮の抑制 NIPSAの臨床応用により,良好な骨再生と歯肉退縮の最小化が得られたものの,依然として骨縁上の軟組NIPSAとMISTの比較25Rodríguezによって提唱されたNIPSAの術式CHAPTER 4 最新のフラップデザイン 根尖側に水平の1本の切開を加え,歯冠側方向に弁を離断することで歯間乳頭を離断しないフラップ術式が,2018年にRodriguezらによって提案された24.この術式non-incised papillae surgical approach (NIPSA)では,骨欠損のある歯の根尖部の,健全な骨の裏打ちのあるところで,かつ,できる限り根尖の位置で水平切開を行う.この切開を近遠心方向へ拡げることで骨欠損部へのアプローチが可能となる.NIPSAでは歯槽骨頂部の軟組織を損なわず軟組織の減少を防ぎ,血餅の安定を得やすく,かつ容易に縫合・閉鎖できることが利点として挙げられ RodriguezらはNIPSAとMISTを用いた再生療法を後ろ向きに調査した.結果はNIPSA,MISTともにポケット深さの減少,アタッチメントレベルの増大を得ることができたが,NIPSAは歯間乳頭部の退縮がMISTに比べて有意に少なかったことが報告されている.156non-incised papillae surgical approach (NIPSA)
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