フラップデザイン アドバンス編
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bFIG 5b 縦切開部から頬側全層弁を剥離し,骨欠損がある歯間乳頭部へアクセス.aFIG 5a 頬側歯肉溝内切開.MGJを少し超える程度の斜めの縦切開(転位歯にともなう狭い歯間スペースでは,さらに1歯離して縦切開).dFIG 5d 縫合.*以上,参考文献9,10より作図,引用cFIG 5c EDTA処理,EMD,骨移植.ンネルアプローチを行い,ハサミで肉芽組織を取り除いた.そして乳頭部の歯肉の厚みが過度に薄くならないよう注意喚起している.トンネル状の安定したフラップの形成により創傷部の安定,再生の場の確保を容易に得ることができる.このため,限局した部位における深い,根尖に達する骨欠損に対しても,驚くほどに非常に有効な結果を得ることができる. しかしながら,限局した深い骨欠損は,セメント質剥離など本来歯周病とは関連しない現象が悪化要因となっている症例であることもしばしばあり,術式の適応においては骨欠損の深さや形態の評価を行う一方で,悪化の要因を評価することも忘れてはならない.だ,複数の骨欠損が存在する状況下では適応できないこと,舌側へ(反対側へ)拡がる骨欠損ではアクセスが困難であること,縦切開の入れ方しだいでは歯肉クレフトや瘢痕を残したり,骨欠損へのアプローチが困難になること,乳頭直下へのアプローチやデブライドメントに技術を要することなどが挙げられるが,それらを考慮しても上回るメリットを有していると感じられる. Aslanらによって提唱されたEPPTの術式の概要をFIG 5に示す.EPPTを成功に導くためのkey pointは,歯間乳頭直下へのアプローチのための縦切開の入れ方,弁の形成の位置,乳頭直下の骨欠損へのトンネル形成とデブライドメントである.Aslanらは特殊な器具よりトentire papilla preservation technique (EPPT)の術式131CHAPTER 4 最新のフラップデザイン

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