Chapter4GBRに必要な組織・解剖Chapter5Chapter6Chapter7Chapter8Chapter9Chapter1Chapter2Chapter3骨補填材料とメンブレンGBRのバイオロジー縫合のテクニックGBRのテクニック術後の合併症GBRに必要な器具GBRの基礎知識患者の術前管理■Part1 GBRの基礎1236-2-3 メンブレンを固定させることは、骨補填材料の維持・安定、さらには獲得したい骨幅や骨高につながり、骨造成の環境をより良いものにします。1)ピン ピンはマレットを用いて骨へ追打することでメンブレンを固定できます。吸収・非吸収性ピンの選択が可能です。ピンの長さや径によって維持力は変わってきます。ピンが細ければ細いほど追打した時に折れてしまうことがあります。また、設置する際は隣在歯根を傷つけないように注意することが必要です(図6-2-1、2)。2)スクリュー スクリューはピンでメンブレンの固定が得られない時に用いることがあります(図6-2-3)。セルフタッピング機構なので容易に固定できますが、固定する際はメンブレンも一緒に回転しないように押さえながら行いましょう。骨が硬くて入らない場合は事前に骨壁へ座を形成する必要があります。3)縫合 縫合は骨膜縫合によってメンブレンを固定し、ピンやスクリューの固定が得られないような場合に用いることがあります。しっかり固定をすることで、骨補填材料の維持・安定を得られます。その際は吸収性の縫合糸が望ましいです(図6-2-4)1。Urbanら2は中間歯の骨欠損に対してGBRの術後1週後で縫合張力が50~60%となり、さらに2週後では約20~30%になると報告しています。63図6-2-1 吸収性ピン(GRタックピン)にてメンブレンを固定。セルフタップ機構ではないため、骨面に専用ドリルで“座”を形成してそこへピンを挿入するように固定する。図6-2-2 ピンによる固定。ピンの設置では隣在歯根に十分注意をして設置する必要がある。ピンを追打する際は“音”をよく聞くのがポイントで、しっかり固定されると、鈍い音から乾いた音に変化する。図6-2-3 スクリューによる固定。しっかりレストを置いてメンブレンがブレないようにスクリューを設置し、メンブレンを固定して巻き込みを防ぐことが大切である。設置時は、決して焦らず、骨に食い込み始めるまで待つ。入らない場合は、事前に骨壁へ座の形成をする。メンブレンの設置方法
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