DIGITAL×ORTHOデジタル矯正歯科フロントライン2025/2026
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ALSPECデジタル矯正歯科の現在と未来を展望するI9出口 徹[米国・ルイビル大学歯学部補綴歯科学/歯科矯正学講座]写真提供:アメリカ矯正歯科学会(AAO)[編集部]治療途中のどの段階でもスキャンを行い、個別の歯の移動、アタッチメントの付与や変更、IPRの調整を指示することができる。ClarityAlignerも硬さを選べ、アライナー自体にアタッチメントやバイトランプ、バイトブロックなどのさまざまな機能を付与することができ、歯面へのアタッチメント設置を避ける仕組みとなっている。また、歯列の3DデータとCBCTとの重ね合わせが可能で、三次元的に歯根を含めたデジタルセットアップを作成できる。こうした三次元情報により、歯列弓拡大や前歯のフレアリングの限界範囲、歯根の上顎洞との近接度が明らかとなる。CBCTとの重ね合わせはインビザラインを擁するAlignTechnology社が先駆けてリリースしたものであるが、さまざまな3Dプリンタ、プリンティング材料、ソフトウェアなどなど、世界のデジタル矯正歯科事情はめまぐるしく変化しています。果たして日本における技術と知見は世界に立ち遅れていないといえるでしょうか。出口徹ルイビル大学歯学部教授に、アメリカ矯正歯科学会(AAO)をはじめとする各学会で扱われるトピックの変貌や日本の状況との違いなどについて解説いただきました。がアライナー矯正治療関連で出展しており、それぞれの材料やシステムの特徴を知り、見比べることができた。日本では未発売のSPARK(Ormco社)やClarityAligner(3M社)等も展示されており、このうちSPARKは、2種類の硬さからアライナーを選べることが最大の特徴といえる。ブラケットの材料にステンレススチールとNi-Tiがあって使い分けるように、治療段階や歯の動きに応じて矯正力を調節することは有用であろう。SPARKの軟らかめ(flex)のアライナーは治療初期に用いる細めのワイヤーのように回転や傾斜移動に適応しており、硬め(force)のアライナーはステンレススチールのように固定源の強化、歯列弓拡大や順次的な歯体移動、圧下などに適している。その他、

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