DIGITAL×ORTHOデジタル矯正歯科フロントライン2025/2026
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近年どの歯科系学会でも見られる傾向であるが、2024年のアメリカ矯正歯科学会(AAO)学術大会のプログラムには、デジタル技術とそれを活用した矯正歯科臨床のトピックスが多くを占めていた。講演会場の壇上では、デジタルワークフロー、デジタルインダイレクトボンディング、3Dセットアップ、AIによる遠隔経過観察、アライナー矯正治療とその安全性や限界、3Dプリンティング技術および機器について各演者が講演を行った。またこれらのデジタル機器をつなぐネットワークおよび情報を守るためのサイバーセキュリティのトピックも取り上げられており、こうした技術をすでに用い、研究している者として刺激を受けるとともに、よりさまざまな範囲に目を配り、広くアンテナを張る必要性を感じた。さらに、メーカーや産業界の熱意と熱気がこれまでにないほど高まっているように思えた。以下、米国の大学で教鞭を執っている立場から、筆者がAAOの会場で感じたデジタル矯正治療の現在、および近年の矯正歯科界の現場から考える今後の展望について述べる。外注型アライナー矯正治療システム近年、各メーカーによるアライナー材料やシステムの開発が目覚ましい。AAOにおいても多くのメーカーアメリカ矯正歯科学会で目にしたこれからの矯正歯科治療SPECIAL FEATURE8アメリカにおけるデジタル矯正治療の現在と今後の世界的展望

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