QASTEP2. Paulsen HU, Andreasen JO. Eruption of premolars subsequent to autotransplantation. A longitudinal radiographic study. Eur J Orthod. 1998 Feb;20(1):45‐55.図1a,b ₆部に根未完成の₈を移植した症例.自然萌出によって対合歯との咬合状態が得られている.図2a~c ₆部に根完成の₈を移植した症例.骨欠損が大きく,深く移植せざるを得なかったため,矯正的挺出を行って咬合させた.2c大となり,12~24週で減衰し,咬合していく2. 比較的年齢が高い患者で,骨欠損が大きく,深く,移植せざるを得ない症例では,十分な自然萌出が見込めないため,矯正的挺出が必要となる(図2)1. 治癒が順調に進行していれば,移植後約4週で挺出移動の開始が可能である.万が一,アンキローシスが生じてしまった場合,脱臼による癒着部位の解除もしくは歯冠修復によって咬合させることとなる.移植歯の自然移動と矯正的移動執筆:月星陽介 移植の際,基本的に深めに植立して対合歯との接触を回避することが多いため,咬合接触に関しては治癒後の自然萌出に期待することとなる(図1)1. 自然萌出は必ず起きるというわけではなく,移植後の歯根膜治癒を前提としており,影響する因子は年齢,歯根完成状態,歯根膜の保存状態などが挙げられる1,2.当然,アンキローシスでは移動しない.その速度は移植後3~6週で加速し,6~12週で最歯根膜治癒した移植歯では基本的に起きるが,矯正的挺出が必要な場合もある.自然萌出は必ず起きますか? 起きない場合の対処法を教えてください1a2a1b2b98参考文献1. Tsukiboshi M, Yamauchi N, Tsukiboshi Y. Long-term outcomes of autotransplantation of teeth:A case series. Dent Traumatol. 2019 Dec;35(6):358‐67.別冊the Quintessence 「YEARBOOK 2025」05
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