QASTEP図1 32歳,女性の術前パノラマエックス線写真.上顎右側のインレーブリッジが脱離した欠損部位に,₈を移植することとなった.る.また,中間欠損への移植の場合は,歯冠部が欠損部近遠心スペースに収まるか,歯冠隣接面の削合を必要とするかを判断する(図2). 実際のドリリングのために,CBCT歯軸断面像で歯根の豊隆や湾曲の方向など三次元的な形態のイメージをつかむ(図3).歯頸部で骨を削りすぎるのは問題となるが,歯頸部から根尖部にかけては少々削りすぎても問題とはならないので,控えめとなりすぎないように骨削除を行うことで,治療時間は短縮されると考えている(図4).治療計画執筆:田健二 移植治療を計画する際(図1)には,まずはCBCTを撮影し,移植歯の歯根長とセメント-エナメル境での近遠心と頬舌の幅径,受容部歯槽骨の近遠心と頬舌幅径を計測する. 次に,移植歯を植立する向きを考察し,移植歯を植立する深さを計画する.理想としては移植歯の歯根はできるだけ骨内に収めるべきであるが,とくに頬舌側の骨壁が裂開し移植歯の歯根の一部が骨縁上に露出することになっても,歯肉弁を密着させて被覆できるならそこまで問題とはならないと考えてい少なくとも,CBCTで三次元的な移植歯の歯根形態と受容部の骨形態を把握することは必須である.移植のシミュレーションが甘く,治療時に手間取ります.よい対策はありますか?①56別冊the Quintessence 「YEARBOOK 2025」02
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