義歯，インプラントなど）は，成長中の顎骨の性質上， 歯の喪失は，口腔疾患や歯の外傷の結果生じる．とくに若年者の場合，歯の喪失や治療の見込みがない歯を治療するための方法はいくつかあるが，既存の選択肢のほとんど（矯正歯科治療，可撤性部分床小児には困難をともなう． 歯の自家移植とは，患者の歯列内の別の機能する歯で，歯を置き換えることである．自家移植は，小児や青年だけでなく，成人患者の歯の喪失の場合にも有望な治療法の選択肢となる． 自家移植は技術に敏感な手順であり，移植した歯の長期的な成功と生存の可能性を高めるために，適切で徹底した治療計画と，慎重で知識に基づいた実行が必要である． 本稿では，1症例を用いて自家歯牙移植を成功へ導くための手順の計画と術式の要点について解説する．なお，本稿の症例および解説は，Tsukiboshi M, Tsukiboshi C, Levin L. A step-by step guide for autotransplantation of teeth. Dent Traumatol. 2023 Jul：39 Suppl 1：70-80. Epub 2023 Feb 3より許可を得て修正・転載したものであることを明記する． 自家歯牙移植を成功させるためには，まず適応症かどうかの明確な判断基準をもつことが重要である．一般的な移植の適応症の判断基準として，以下の項目を挙げることができる．・ 同一口腔内に保存不可能な歯と第三大臼歯などの不要な歯がある．・ ドナー歯がシンプルで抜歯しやすい形態（単根，円錐形，砲弾型など）で，受容側の骨幅がドナー歯愛知県開業 月星歯科クリニック連絡先：〒497‐0050 愛知県海部郡蟹江町学戸6‐8Procedures and Key Points for Success in Autotransplantation of Teeth161．適応症の判断基準総論 はじめに月星光博別冊the Quintessence 「YEARBOOK 2025」自家歯牙移植の流れと成功のポイント
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