Q32菓子栄養素甘味料食べ方水分全般清涼飲料水食品その他飲料口腔関連76 日本歯科医学会は、口腔機能低下症の症状について、「口腔内の微生物の増加、口腔乾燥、咬合力の低下、舌や口唇の運動機能の低下、舌の筋力低下、咀嚼や嚥下機能の低下など複数の口腔機能が低下している状態」と定義しています1。ご質問の「口腔機能向上のための訓練」とは、おそらく咬合力や舌・口唇の運動範囲の拡大を目的とした可動域訓練や単音節の発音訓練などの舌・口唇の巧緻性の訓練、舌や口を動かす筋力を維持できるような訓練をされていると想定されます。 口腔機能低下症の症状の1つである口腔乾燥は、服用薬の副作用により引き起こされ、口腔衛生状態の悪化や食塊形成が困難になるなどの問題が発生するとされ、高頻度でみられます。これにより、食べ物がうまく嚥下できず口に残ることがあると考えられます。そこで今回は、口腔乾燥改善の一助となるような食材や食事への取り入れ方について簡単にご紹介します。 唾液分泌を促す代表的な食材は、酸味のある梅干しやレモンが知られています。ただし、口腔内の状態により、痛みの増強や状態悪化、むせを生じることがあるため注意が必要です。ほかには、昆布(アルギン酸、グルタミン酸)や納豆(ポリグルタミン酸)などがあります。 なかでも昆布のうま味は、唾液分泌を促進させてうま味の感受性を促したり、減塩効果も報告されています2,3。昆布だしを取るのは面倒と思われがちですが、「水出し」という方法があります。水1Lに昆布10g(5cm角で約2g:5枚分)をタッパーや水筒に入れて、一晩(最低3時間以上)冷蔵庫に入れておくだけです。汁物や煮物など水を使う料理で使用することで、うま味回答:酒井理恵口腔機能向上のためにできる食事のアドバイスは?口腔乾燥の改善・唾液分泌促進には、うま味をうまく取り入れた食事を心がけると食事がおいしく摂れるのではないでしょうか。口腔関連に関する疑問70代の患者さんで「前より食べ物が口に残るようになった」という方がいらっしゃいます。口腔機能向上のための訓練をしていますが、食事についてもアドバイスをしたいので、教えてください。茶A32
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