₂にしては直立し過ぎじゃないですか?“頬舌に傾斜している歯”は、ベテランが陥りやすい目立たない難症例なのです。歯科用CTを撮影しました。これは、歯軸を回転していない、撮影したままの画像です。【初心者あるある】【本症例】₂₂は、他の上顎前歯と比較して口蓋側に傾斜しています。初心者は、隣在歯の歯軸に引きずられて髄腔開拡の方向を誤り、唇側に過剰切削、穿孔しがちです。ベテランはそれがわかっています。だから、若干、口蓋側に倒すように狙います。本症例は、いつもどおりに髄腔開拡をしていたら、₂にもかかわらず直立していたため口蓋側に偏ってしまいました。最初の症例も似ています。ベテランだからこそブレずに咬合面から真っすぐ切削できているのです。つまり、またまた下手だなあ……なんて思わないで! かかりつけ医の形成は、 口蓋側にも傾いていることが わかる。正しい髄腔開拡の方向誤った髄腔開拡の方向正しい髄腔開拡の方向いつもの髄腔開拡の方向 =誤った髄腔開拡の方向前頭断CT画像歯軸₁ ₂歯軸₁ ₂第7話 頬舌的に傾斜している歯59
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