ジャパニーズ エステティック デンティストリー 2025
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9THE JAPANESE JOURNAL OF ESTHETIC DENTISTRYISSUE 2025Full mouth reconstructions primarily using zirconia monolithic crowns 2024年現在、筆者が手掛ける歯冠修復治療においてメタルを選択する機会はほとんどなく、ジルコニアおよび二ケイ酸リチウムを用いることが主である。そして、こうしたマテリアルを用いる場合に必須となるデジタルデンティストリーはすでに日常臨床の中に溶け込んでおり、とくにチェアサイドとしては意識する必要がない状況にまで達している。 また、ラボサイドにおいてもこれらの材料は日常的に扱わ 患者は47歳男性。コロナ禍の最中の2021年に初診で来院した。職業は起業家。他院での治療結果に不満をもち、再治療を求めていた(Fig 1 to 3)。側貌から、骨格的にⅢ級傾向がみられたが、大きな問題はないと考えた(Fig 2)。 初診時パノラマエックス線写真をFig 3に示す。下顎左側臼れるものとなり、とくに本別冊の読者にとって馴染みの深いジルコニアは、陶材を築盛せずにステインのみで仕上げを行うモノリシックレストレーションとして用いられることも増えてきた。 そこで本稿では、このジルコニアモノリシッククラウンを主体としたフルマウスリコンストラクションについて、最近の症例のひとつを供覧してみたい。歯部は6が欠損、78には歯冠の崩壊が生じており、さらに7も残根状態となっていたため、左側臼歯部の咬合支持は損なわれていた。その他検査・診断の結果、7、78は抜歯の上で6部にインプラントを単独植立し、残る天然歯には必要に応じて歯内療法を行った上でジルコニアセラミッククラウFig 1a to e 治療前の口腔内写真。abcdeはじめにCase Presentation

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