●歯科用ユニットの無影灯は、通常の歯科診療で点灯させないことはまずないが、光学印象を行う際は必ず消灯することを忘れない。●最近の無影灯はLEDで構成されている。LED光の波長は上述の精度やスキャン時間だけでなく、シェード測定の精度にも影響する(最近のIOSはシェード測定機能が搭載されていることが多いため)。●IOSの精度と速度に影響する因子として、照度と色温度が挙げられている。3900K(ケルビン)または500lxがもっともよい条件であるとも報告されている2。●マイクロスコープの光源も同様に気をつける必要がある。●多くの歯科衛生士がルーペを使用している。急いでいてルーペのLED照明を点灯したままスキャンを行っている歯科衛生士を見かけることがあるが、上述の理由で好ましくない。●歯科衛生士がIOSを使用する場合、全顎撮影になることが多い。隣接面う蝕検知補助機能(iTero)や定量的可視光誘起蛍光法(QLF 法、TRIOS 4/TRIOS 5のう蝕検知)などは、ある特定の波長光を使用するため、その判定に影響する。 口腔内のスキャンを快適に行うためには、さまざまな環境整備が重要です。 一般的に太陽光の干渉は望ましくないとされています。また、スキャン時には無影灯を消灯する必要があります(図6~8)。口腔内スキャンの精度とスキャン時間に周囲光が影響するからです(表1)。 精度に関しては、全顎をスキャンする場合は1000lx(ルクス)の照度が最適で、4歯までのスキャンでは周囲光の影響は臨床的に問題ないとの報告もあります。そしてスキャンに必要な時間は、照度が高くなるにつれて長くなる傾向にあると統計的に評価されています1。51図7 ルーペのLED照明は消灯する図6 無影灯を消灯する図8 マイクロスコープの光源に注意する1. 照明機器の消灯02IOS操作に適した環境の整備
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