ガミースマイル総論を漏らすことなく診断し,適切な治療を選択することがガミースマイルを確実に改善するポイントとなる. しかしながら,現在までガミースマイルにおける包括的な診断方法は確立されておらず,術者が歯肉や歯の位置などを局所的に診断し,治療しているのが現実である.一口腔一顔面単位での包括的に捉えた診断および治療法が必要である. ガミースマイルの診断を滞りなく行うためには,必要な項目すべての診査を行わなければいけない.そこで,診断のためのフローチャートを作成した.このフローチャート(トリートメントマップ)は,次の3つのステップから成る.1st check/Lip(口唇の診査)2nd check/Teeth(歯と歯周組織の状態の診査)3rd check/Smile(スマイル時の歯肉の露出の診査) これらを順に行うことで,診査を滞りなく行うことができる.図13 要因別による特徴を模式図化したもの.同じ「ガミースマイル」といわれるものでも,さまざまな特徴があることがわかる.図13ガミースマイルを構成する要因の模式図19第1章軟組織による要因(口唇・歯肉)硬組織による要因(骨)硬組織による要因(歯)理想的なスマイル理想的なスマイル理想的なスマイル理想的なスマイル1.上唇の過挙上4.上顎骨の垂直成分の増加(下降)6.上顎前歯の過萌出7.上顎前歯の叢生10.短い歯冠長11.咬耗による対処性の2.薄い上唇理想的なスマイル5.上顎骨の水平成分挺出3.歯肉の増殖の増加(前突)8,9.萌出不全5.診断のためのフローチャート(トリートメントマップ)
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