1234567Chapter 1 医療面接・プラークコントロール・診査・プロービング忙しい、疲れる、ストレス甘いものが食べたくなる、食生活の乱れが習慣化砂糖の摂取量が増えた自律神経、ホルモンバランスの乱れ睡眠障害、不規則な睡眠、免疫力の低下不衛生な口腔内環境、パラファンクション咬合性外傷の悪化図❶ 咬合性外傷を悪化させるストレスに起因する不衛生な口腔内環境、パラファンクションの要因をインタビューするポイント。①〜⑦の流れをもとにストレスの影響を想定し、これらの情報を聴取する 患者さんの主訴と口腔内の観察から、健康を維持できない原因をつねに想像しながらインタビューすることは、歯周病の進行を抑えるうえでとても重要です。そのためにはまず、健康を維持できないのはなぜか、どのような生活習慣やストレスが原因と考えられるのかを探る必要があります。 本項では、患者さんの観察およびインタビューのポイント(図1)を、筆者の臨床実感をもとに症例を交えて解説します。 そもそも健康の維持とは、「心身ともに良好な状態を維持すること」であり、適切な食事・運動・睡眠という3つの生活習慣が土台となります。聴取すべき生活習慣の内容は、以下のとおりです。①食事:砂糖の摂取頻度や量②運動:年齢や体調に合ったレベルの運動を継続しているか③睡眠:就寝時間やよく眠れたかどうか とくに、ソフトな圧のプロービングに過敏で全顎的な歯肉の痛みを訴える、頻繁に口内炎や歯肉の急性炎症を発症するなど、さらに夜間のパラファンクションが疑われる場合は、よく眠れているかを確認します。 普段から、患者さんの動作(足腰が痛そうな動作や歩き方など)、体型(痩せているか、肥満傾向か)、服装や髪型(身だしなみが整っているか)を観察し、想像力を働かせます。たとえば、患者さんがぎこちない歩き方をしていたら、身体の痛みの有無を聴き取り、痛みがある場合は口腔内を観察し、痛みに耐えようとして歯を食いしばっていないかを確認します。そして、デンタルX線写真から咬合性外傷の臨床所見(Chapter6参照)を認めたら、さらに詳細をインタビューします。008健康を維持できない生活習慣として考えられる原因観察力とインタビューの重要性患者さんの観察とインタビューのポイント01
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