臨床家のための矯正YEARBOOK2024
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図7 セファログラムを用いたVTO.正常な前歯のoverjet, overbiteを確立するにはトルクが必要である.図8 歯の移動開始後3か月の口腔内写真.上顎前歯にはスーパートルクブラケットを装着している.TPAと口蓋への歯科矯正用アンカースクリューにより安易な上顎大臼歯の前方への移動を防いでいる.下顎は装置装着が可能になった時点で装着している.図9 歯の移動開始後1年の口腔内写真.上顎にBlue Elgiloy系のDouble key hole loops(.019×.025)を使用し,歯根の吸収を最小限にするのに努めている.下顎は第二大臼歯の遠心に歯科矯正用アンカースクリューを植立し,下顎前歯がフレアするのを抑え,ストリッピングを用いブラケットの位置の調整を行った.下顎には018×.025Heat-Activated NiTiワイヤーを装着した.円板転位をともなう成人AngleⅡ級過蓋咬合症例臨床家のための矯正YEARBOOK 2024081初診時VTO①本症例の犬歯関係はⅡ級であるが,犬歯を後退させてⅠ級関係を確立したら,次に他の4前歯を別々に移動させるのをよく見るが,6前歯を一括で移動させる(En-massemovement).②上顎前歯にトルクの強いスーパートルクのブラケットを用い,効率よく前歯の傾斜の改善を行っ

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