ノンメタルクラスプデンチャー 増補新版
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質問02020ポリアミド系樹脂②バルプラスト,バイオプラスト, ウエルデンツ,デュラフレックス バルプラスト,バイオプラスト,ウエルデンツ,デュラフレックスは,上記に比べてかなり柔らかい樹脂である.その特徴を活かして,アンダーカットが大きい症例などでも装着できるため,比較的使いやすい樹脂である.ただし,柔らかい分,傷や変色が目立ちやすいので,使用には注意が必要である.ポリアミド系樹脂③サーモセンス サーモセンスは,硬すぎず柔らかすぎず,とくに特徴がある樹脂ではないが,射出成形しやすい樹脂であり,技工サイドでは製作しやすい樹脂である.また,本家オランダでは40種類程度の色数があり,歯肉色に合わせやすい.ただし,常温重合レジンとは接着しないため,リラインや修理には注意が必要である.PART 1 ノンメタルクラスプデンチャーのベーシック【くわしい解説】askanswerポリエステル系樹脂エステショットブライト エステショットブライトは適合精度もよく,通常の義歯と同様の修理やリラインができるため,第一選択として考えている.ただし,ポリアミド系樹脂と比べると,義歯の頬舌回転や水平性遠心回転(→P35参照)がコントロールできない症例ではレジンアームの破折が起こることがある.したがって,内側性把持(→P36参照)が得られない症例での使用は注意しなければならない.また,歯冠形態にも注意してリカントゥアリング(頬舌側面歯質の削除などにより,歯冠形態を修正すること〔→P53参照〕)が必要なことが多い.ポリアミド系樹脂①アルティメット,TUM,アミド・デ・ショット アルティメットやTUM,アミド・デ・ショットは,ポリアミド系樹脂であるため,破折しにくい.また,常温重合レジンと接着する専用のプライマーが販売されており,チェアサイドで修理ができるため,ほぼすべての症例で適応可能である.ただし,これらの樹脂は,比較的硬めであるため,支台歯の歯冠形態に注意して,リカントゥアリングが必要なことがある(→P58参照).また,樹脂を射出成形する際の収縮はエステショットブライトよりも大きいため,技工操作に注意が必要である.樹脂の選び方樹脂の選択はどのようにしていますか? 樹脂それぞれに特徴があるため,どれがいちばんとはいいにくいのですが, (あくまでも私見ですが)以下の特徴を考慮して,適材適所で樹脂を選択しています.

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