ノンメタルクラスプデンチャー 増補新版
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babaccd図27 a~d 回転装着義歯の前処置.a:咬合平面に垂直な着脱方向ではニアゾーンにアンダーカットができる(赤矢印).b:最後方支台歯のニアゾーンのアンダーカットを少なくするように,着脱方向を変更する(赤矢印).c:前方支台歯のアンダーカットをbで決めた着脱方向に合わせるようにガイドプレーンを形成する.d:ガイドプレーンは曲面に形成し,削除量を少なくし,接触面積を増やす.図26a~c 2歯以上の中間欠損で最後方支台歯が近心傾斜しているときは,回転装着を考える.24a,b)(→P58参照). 歯頚部に楔状欠損やう蝕が認められる場合はあらかじめ充填し,レジンクラスプが適合するようにしなければならない(図25a,b).PART 2 ノンメタルクラスプデンチャーの製作テクニック054③後方支台歯の近心アンダーカット 中間欠損で最後方支台歯が近心傾斜している場合,傾斜している歯の近心のアンダーカットを利用して,義歯を回転装着することによって,義歯の離脱に抵抗できる1,11(図26a~c).回転装着は2歯以上の中間欠損症例で有効である.欠損側のアンダーカットを利用する歯のレジンクラスプは維持腕ではなく,変形や破損が起こりにくい把持腕がよい. 回転装着義歯とする場合は,最後方支台歯の近心部のアンダーカットが少なくなるように,着脱方向を決める.ただし,前方支台歯の遠心部のアンダーカットが大きくなりすぎると死腔が増えてしまうため,遠心部のガイドプレーンを着脱方向に合わせて修正する(図27).着脱後方支台歯の近心アンダーカット

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