c図14c,d 歯槽骨整形術を行って生物学的幅径を確立した後に補綴装置を作製した(2007.7.5).a図15a~c 上顎第一大臼歯口蓋根の根管口付近にパーフォレーションが存在し,根管内は炎症性肉芽組織で埋まっている.2~3日に一度,根管内に貼薬した水酸化カルシウム製剤を交換していくと肉芽が吸収し,本来の根管と穿孔部が明瞭になってくる.115▶髄室にパーフォレーションを認めたケース▶穿孔部から髄腔内に入り込んだ肉芽組織の処理 髄室に存在するパーフォレーションは,その位置が骨縁上か骨縁下にあるかで対応が分かれる.骨縁上にある場合は歯肉縁下う蝕と同じ対応となり,生物学的幅径が侵されている場合には,歯の挺出あるいはクラウンレングスニングのどちらかを選択することになる(図14). 貼薬には水酸化カルシウム製剤を用い,2~3日おきに交換していくと,根管内の肉芽組織が吸収され,穿孔部と本来の根管が確認できるようになる(図15).図14a 初診時(2007.2.13).39歳,男性.左上が腫れた.₄に根尖病変と近心骨縁部にパーフォレーションを認める.図14b 矯正的挺出終了時(2007.6.11).根管治療後に穿孔部が歯肉縁の位置に来るように矯正的挺出を行った.abdbc図14e 初診より17年(2024.1.26).オープンバイトであるためか,15年の間に₃₄間の接触点が大きく離開しているが,歯周組織は正常像となっている.CHAPTERⅣ 人為的な要因に起因するもの(1) 髄室のパーフォレーション
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