d図6a~f ₂を抜歯し,囊胞を摘出したところ,唇側から口蓋側に連続する骨欠損を認めた(a).囊胞摘出腔にサイトランス®グラニュールによるGBRを行った(b).歯槽堤と角化粘膜温存のため,サイトランス®エラシールドを用い,オープンバリアメンブレンとして二次治癒を期待した(c).メンブレンが環境依存的に吸収し,術後3か月でサイトランス顆粒が上皮化粘膜から薄く透けて確認できる(d).術後8か月(e)には十分な上皮化を認め,その後,インプラント埋入を行った.インプラントの唇側ボリュームも十分であった(f).オープンバリアメンブレンによる歯槽堤の温存は,骨幅のみでなく,新たな粘膜再生の可能性を示唆する.YREGRUS LARODNA LATNEDCISAB : RANMES LAUSIV63ウシ由来多孔性骨補填剤)やHA(Hydroxyapatite)では,骨は形成されるものの,インプラント埋入においては承認が得られていないため,各施設の倫理委員会承認を得たうえで使用する.ソケットプリザベーションでは,臼歯部の頬側骨が温存された症例には,OCP/Colを使用している.OCP/Colは早期に骨に置換するため,自然な骨に近い状態となりインプラント埋入が可能となり,追加でのGBRが必要ない症例に用いることが多い.前歯部で唇側骨欠損が大きい場合や臼歯部領域でも外側性に骨造成が必要な場合には,炭酸アパタイトを用いることが多く,インプラント埋入と同時に炭酸アパタイトとメンブレンによるGBRで,自家骨によるベニアグラフトを行わなくとも外側性に唇側骨の厚みを増大・維持することが容易である(図7,8).Chapter1-1インプラント埋入を前提とした低侵襲抜歯abcef I インプラント体の長さは,6~14mm程度が頻用され,歯槽頂と下顎管および上顎洞底など顎骨の形態や解剖学的要素を考慮して長さを決定する.インプラント体の直径は,前歯部では3~3.5mm前後のナロータイプ,小臼歯では4mm前後のレギュラータイプ,大臼歯では4.5mm以上のワイドタイプが望ましいとされ,また近年では上顎側切歯と下顎中側切歯に限定的な使用が可能な3mm以下のインプラント体も販売されている.インプラント体と天然歯間の距離は1.5~2mm以上で,連続するインプラント体の埋入では,インプラント体とインプラント体との距離は3mm以上の間隔をとる必要がある.また,インプラント体周囲の骨幅は頬(唇)舌的にそれぞれ1~2mm必要で,前歯部などの審美領域における埋入深度は,隣在天然歯のセメント−エナメル境(CEJ)から3mm程度根尖側方向が望ましく,水平的には1~2mm口蓋側に埋入ポジションを設定する(図9).インプラント体の選択と設計~抜歯に際してインプラントの基礎知識が必要~
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