IYREGRUS LARODNA LATNEDCISAB : RANMES LAUSIV581)上顎 抜歯後の歯槽突起は,急速に吸収される.全体的に唇側・頬側から骨吸収が始まり,無歯顎になると,歯槽頂が内側方向に移動し,矮小化する.2)下顎 下顎骨は抜歯後,歯槽部の唇側・頬側が吸収し,オトガイ孔や下顎管が相対的に下顎体上方に位置することになる.また,臼歯部歯槽骨は外斜線に沿い,頬側から骨吸収が進み,無歯顎になると歯槽骨頂の大阪歯科大学歯学部口腔インプラント学講座連絡先:〒540‐0008 大阪府大阪市中央区大手前1‐5‐17Minimally Invasive Teeth Extraction for Assuming Implant Placement - Including Socket Preservation for Implant Treatment at Teeth Extraction -Kusano KaoruChapter1-1Department of Oral Implantology, School of Dentistry, Osaka Dental Universityaddress:1-5-17 Otemae, Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka 540-0008(使い方:7頁参照)61,66頁Chapter1 口腔外科ビジュアルセミナーSection1ビギナー&ミドルのための必修 ベーシックテクニック抜歯にともなう一般的な顎骨の変化(図1) インプラント治療は,現在の人工歯根タイプが使用されるようになり,半世紀が経った.科学的根拠に基づくインプラント治療は,インプラント埋入後の10年生存率が,98%を超えるとも報告され,欠損補綴におけるなくてはならない治療である.近年では,デジタルソリューションの進化と発展により,急速に歯科臨床にデジタル技術が活用されている.なかでもインプラント治療は,CBCT,口腔内スキャナーやフェイススキャナーを基軸とした検査・診断がなされ,埋入から補綴までのすべての過程を包括したシミュレーションが必要となる.高精度なトップダウントリートメントによるガイド下手術やナビゲーション手術の支援により,安全・安心なインプラント治療がさまざまな施設で行われている. 抜歯適応と診断した場合には,抜歯前にどのような欠損補綴を行うのか十分に説明し,インプラント治療を選択された場合は,低侵襲な抜歯とインプラント埋入を包括したトリートメントプランを立案する必要がある.上顎前歯部などの審美領域での抜歯は,唇側の骨吸収の状態や最適な埋入時期を十分に検討して行う必要がある.また,近年ではインプラント埋入を前提とした既承認骨補填材や,さまざまなマテリアルが上市されており,その特徴や効果を含めてインプラント治療のトリートメントプランを立案する必要がある. そこで本稿では,インプラント埋入を前提とした抜歯を行う際に,どのように低侵襲な抜歯を行い,骨を温存すべきか,また骨が温存できない症例でも,どのように骨造成させるかを含めて,さまざまな臨床例を提示し,それらを多角的な視点から述べたい.インプラント埋入を前提とした 低侵襲抜歯抜歯時のソケットプリザベーションも含めて草野 薫
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