60PART 2 臨床編症例1r クラウン圧接.無影灯の光量を落としてから支台歯に圧接.【ポイント】余剰セメントがクラウン全周から均等にはみ出るように圧接すると,半硬化でバリ取りしやすい.症例1u コンタクト部の余剰セメント除去.【ポイント】コンタクトは,アシスタントにクラウンを押さえてもらいながらフロスを通し,横に引き抜く.症例1v 光照射による最終硬化.CAD/CAM冠は光が透過するため,各面からマージン部に10秒ずつ光照射して最終硬化させる.【ポイント】光が届きにくい場合は,化学重合させるため,デュアルキュアにより5分保持.症例1w, x CAD/CAM冠装着後の状態.w症例2 ジルコニアクラウン(失活歯,レジン支台築造)……下顎第一大臼歯(症例2a〜s)(1)使用材料【ジルコニア】「カタナジルコニアYML D2」(ステイングレーズ仕上げ)【レジンセメント】「パナビアV5(ユニバーサル)」(以上すべてクラレノリタケデンタル)(2)症例と注意点●ジルコニアクラウンは,精度や効率の点からも口腔内スキャナーから始まるデジタルワークによって製作されることが多くなった.とくに臼歯部において症例1s タックキュア.余剰セメントに光照射(1か所につき1~2秒)して半硬化させる.【ポイント】光が透過拡散するため,照射時間はメタルクラウンよりも短めにする.は陶材を築盛せず長期的な破損リスクが極めて少ないステイングレーズ仕上げや,研磨仕上げ,あるいはカラーリングなどの仕上げ方法が主流となりつつある.●また,大臼歯においては咬合負担を考慮して歯質とのより強固で長期的な接着安定性をもたらすセルフエッチングタイプのレジンセメントを選択したい.本症例では,歯質との封鎖性と接着性能にすぐれた「パナビアV5」を選択した.症例1t 余剰セメント除去.探針などでクラウンを浮きあがらせないように,歯肉側方向に剥離する.uvx
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