基本から学び直すインプラント補綴
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152図10-13a 上部構造装着時の口腔内所見。コンタクトは適切に付与されている。 一方で、コンタクトロスの存在によって食片の圧入(図10-13)があり、口腔衛生指導でも改善が得られない場合や患者が不満を訴える場合は、隣在歯とのコンタクトを適切に回復する必要がある。その際、簡便な方法としては、口腔外で最終上部構造に適切な表面処理を施したうえで、コンポジットレジンを築盛する方法がある。ただし、異種材料の場合では、いくら接着処理を行ったとしても剥離しやすいことに注図10-13b 12年経過時にコンタクトロスを認めた。図10-13c 同側方面観。食片の圧入を認め、周囲粘膜に炎症が存在する。図10-14 図10-13と同症例。近心側に位置する₅ブリッジに二次う蝕を認め、ブリッジを再製することによって適切なコンタクトを付与している。意する。 それ以外には、いったんプロビジョナルレストレーションを装着してもらい、間接法での陶材の追加築盛や上部構造自体の再製を行う方法もある。さらに、隣在天然歯にコンポジットレジン修復を行ったり、既存の修復物を再製したりすることでコンタクトを回復することも可能である(図10-14)。7部のセメント固定式上部構造におけるコンタクトロス既存の修復物の再製によるコンタクトロスへの対応

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