基本から学び直すインプラント補綴
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5 欠損補綴治療の選択肢として、今やインプラント治療はなくてはならないものとなっています。それは、これまでのさまざまな臨床や研究成果が基となり、確実かつ良好な治療結果が明らかにされてきたことによります。そしてこれからも、新たな材料や技術が報告され、われわれのインプラント臨床の助けになることに疑いの余地はありません。一方で、日々アップデートされる新たな技術は、過去のコンセプトや技術のすべてに取って代わるのではなく、むしろ、多くの基本や原理・原則はこれから先も何も変わることはありません。 本書では、インプラント治療のなかでも補綴治療に目を向けて、上部構造の種類とその設計原則、製作や調整方法、経過観察に至るすべてのステップにおける「基本」について解説を行っています。可能な限り、症例や図表を用いて、初学者の先生方が読みやすくしつつも、その根拠となる文献についても掲載しました。これが、本書『基本から学び直すインプラント補綴』のタイトル冒頭に加えた「今さら聞けない」「でも知りたい」という言葉に込められています。 これからインプラント治療に取り組む先生方は、ぜひ、Lesson1から順にお読みいただくことをお勧めします。すべて読み終えれば、インプラント補綴治療は万全です。一方で、すでに日々の臨床にインプラント治療を取り入れられている先生方は、再確認したいLessonから読み進めていただいても問題ないと思います。ご自身が普段取り組まれているインプラント補綴治療と大きな違いがなければ、基本は十分習得されているでしょう。必ずしも本書で紹介している内容が、インプラント補綴治療における普遍的な内容であるとは言い切れませんが、逆に多くの点でご自身の考えと異なるのであれば、あらためて確認してみてください。 本書が多くの先生方にとって少しでもお役に立てば幸いです。和田誠大まえがき

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