口腔難治性疾患アトラス
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121)BMSの病態生理●BMSの症状は多彩だが、治療の目標は痛みの除去・軽減におく。●治療は、診断名を明らかにして、対処の方針を示すことからはじまる。2)ロフラゼプ酸エチル(抗不安薬 antianxiety drugs)●抑制性介在ニューロンのしくみを応用して痛みを抑える。5BMSの薬物療法による対処神経障害性疼痛痛覚変調性疼痛心因性疼痛侵害受容器体性感覚神経感覚神経の損傷がない感覚神経の病変や障害があるどこにも病変や障害がない図1-13 慢性疼痛の分類1-13)。「痛みは神経を3本乗り換えて脳に伝わる。神経の中は電気が伝え、神経と神経のあいだは化学物質が伝24口腔難治性疾患アトラスKEY POINTKEY POINTKEY POINT痛み侵害受容性疼痛治療の目標病態の説明主訴が口腔乾燥や味覚異常であっても、疼痛・灼熱感をともなう場合は、疼痛・灼熱感の除去・軽減を治BMSは神経障害性疼痛のカテゴリーに入る(図さすると痛みは和らぐものだが、BMSでは「ガムを噛んでいるときや、あめ玉など口に何かを入れているときはピリピリがおさまる」という現象がある。こ療の第一目標におく。疼痛・灼熱感の軽減にともない、ほかの症状も改善することが少なくない。える」「ところどころに痛みを抑える神経もある。その抑えが利かなくなると痛みになる」「そこへ効く薬で治療する」という病態と治療の説明は大切である。れは抑制性介在ニューロンの作用である。この仕組みを応用してBMSを治療する。

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