インプラント図鑑
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 Brånemarkによる造語である。現在では、光学顕微鏡レベルで骨とインプラント表面が軟組織を介在せずに接触維持する様相をさすことが多い1。インプラントと骨が直接結合する現在のインプラント治療の根幹となる概念である。スウェーデン、イエテボリ大学解剖■CHAPTER1 オッセオインテグレーション 17CHAPTER1-2図1 機械研磨面を有するインプラントはルートフォームで骨結合する現在の主流であり、無歯顎患者への応用が臨床第1号となった。学教授であり、医師のBrånemark博士がウサギの下肢の骨に埋め込まれたチタン製ネジが、一定期間治癒した後、骨から取り外せないことを発見2し、これをオッセオインテグレーションと名付け、現在のインプラントの原型となるルートフォームインプラントを開発した3。問題点:Bicortical bone supportとするためには長径を長くする必要があるため、インプラント埋入手術の難易度は高かった。その後、現在の潮流となるラフサーフェイスの表面性状が開発され、短いインプラントでも十分にオッセオインテグレーションを獲得することができるようになった。その反面、インプラント周囲炎になった場合、感染源の除去が難しくなる傾向がある。図2 ウサギの脛骨の近位端の断面でみたチャンバーの位置(参考文献4、McCuskey RS 2017、Fig.2より引用)。Per- Ingvar Brånemark(1969)GapTeflonSleevePyrexGlassRodFibulaTibiaBone ImplantCapPeg 黎明期における2つのインターフェイスの概念と2人のレジェンド。近代インプラントは、骨-インプラント結合のインターフェイスの概念として、オッセオインテグレーション(Osseointegration)とフィブロオッセアスインテグレーション(Fibro-osseous integration)がある。臨床応用と問題点臨 床:Brånemarkインプラントは、骨結合獲得の阻害因子となる微小動揺を抑えるため、免荷期間を設けるプロトコルが一般的とされた。初期のBrånemarkインプラントは機械研磨(機械加工)の表面性状であり、強固な初期固定を得るためにインプラント頚部と尖端部の2か所を皮質骨で固定し、オッセオインテグレーションを獲得しやすくするBicorticalが推奨された。1.オッセオインテグレーションとはオッセオインテグレーションとフィブロオッセアスインテグレーションの定義

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