THE ALIGNER ORTHO
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精密検査後、診断と治療計画の説明をオンラインによる診察にて行い患者の同意を得た。1、2ステージ目のアライナーと遠隔管理システムの撮影装置が患者に届く。オンラインでアライナー装着と撮影装置操作の説明を行い、治療を開始した。抜歯は1~2ステージの間に行った。3ステージ目で来院してもらい、アタッチメントとフック(ボタン)を設置した。アライナーの交換頻度は5日に1ステージとし、次回の診療予約は55ステージ終了時となる9か月後に設定した。顎間ゴムを使用するため、46にボタンカット、13にプレシジョンカットを付与し、Ⅱ級顎間ゴム(3/16インチ 6.5オンス)を常時使用した。その間の経過観察は患者が撮影した口腔内写真にて5日ごとにオンライン上で行った。イニシャルアライナー終了。上顎右側臼歯部の遠心移動は目標に達していなかった。しかし着実に移動が進んでいることを確認し、引き続き順次遠心移動を行っていくこととした。左側は抜歯スペースの閉鎖が順調に進みAngleⅠ級をキープしている。しかし33は計画した移動量が多く、歯根が近心位となっているのを認めたため、追加アライナーで歯軸角のリカバリーを計画した。追加アライナーのアタッチメントとフックの設置を対面診察にて行った。アライナーの交換頻度は5日に1ステージとし、次回の診療予約は37ステージ終了時の6か月後に設定した。33の歯軸角の改善と上顎右側臼歯部の順次遠心移動を行い、早期接触部位を調整し、全体に均等に咬合接触が得られるようゴールを設定した。Ⅱ級顎間ゴム装着のため、プレシジョンカットを13、ボタンカットを46・47頬側に付与し、Ⅱ級顎間ゴムの強さを調整する計画とした。まずは47から13にⅡ級顎間ゴム(3/16インチ 6.5オンス)を装着した。遠心移動量の軽減と咬合接触の調整のため14・15・16間にそれぞれ0.5mmずつIPRを実施した。ステージングでは、上顎右側臼歯以外の歯はすべて同時移動とした。追加アライナー終了。全顎的に緊密な咬合が得られたため、動的治療終了とした。アタッチメントとボタン、フックを除去、最終アライナーを使用し保定を開始した。47は動的治療が終了しても半埋伏していた。アライナーで歯を覆う面積が小さいためリンガルボタンと顎間ゴムで移動を試みたが、想定していた動きが見られなかったため、47を覆っていた遠心の歯槽骨を削合し自然萌出を待つこととした。診断装置装着遠隔での経過観察遠隔での経過観察1か月1か月1か月1か月2か月9か月~~6か月初診精密検査アタッチメント設置追加アライナー用の資料採得追加アライナー装着動的治療終了保定1か月後10か月後12か月後18か月後図5-5 時系列でまとめた治療経過。86CASE 5 ― 4 VISITS TO FINISH by remote observation経過12019.8経過22019.9.20経過32019.10.28治療開始から経過42020.7.26治療開始から経過52020.9.27治療開始から経過62021.3.28治療開始からオンライン対面診察

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