THE ALIGNER ORTHO
4/12

QQⅡ級開咬症例南舘治療終了時の口腔内写真を見ると、前歯部は唇側に歯根の膨隆が認められましたもんね。岡野リセッション(歯肉退縮)の問題は結構悩ましいですよね。今回の症例のように上下で顎間ゴムを掛ける場合は、上顎大臼歯の遠心移動の反作用として下顎歯列全体の近心移動が認められます。それによる下顎前歯の歯肉退縮は避けたい反作用ですね。南舘ClinCheck上で下顎前歯が唇側傾斜するような動きを入れていなくても、Ⅱ級顎間ゴムを使うことで下顎歯列全体が前方に動くという反作用は、必ず認められますよね。今回の症例に関しては特別な配慮はしたんでしょうか?岡野3/16インチ 6.5オンス(5mm 180gf)、いわゆるHeavyのエラスティックです。南舘遠心移動では基本的に、Heavyの顎間ゴムを使用することが多いんですか。岡野シーケンシャル(順次的)遠心移動の、最初の大臼歯の移動時はそこまで強い力が要らないので、Medium(125gf 4.5オンス)を使う場合が多いです。大臼歯を移動後、小臼歯を動かすステージになると反作用も大きく出てきますし、最後の前歯のリトラクション(後方移動)では結構強い力が必要になるので、治療の後半でHeavyを使うことが多いですね。岡野その反作用を極力抑えるためには、この症例でも顎間ゴムの使用を最小限にして、上顎の遠心移動には歯科矯正用アンカースクリューを使用するという選択肢を採ったほうが良かったのかもしれないですね。ただ、上顎歯列をあまり舌側に入れたくなかったので、そこが悩ましいところで……。あと、(骨格性Ⅱ級を補償するために)ある程度、下顎歯列の近心移動も行いたかったんですよね。ですので、僕のなかでは下顎前歯の歯軸と上顎前歯の位置のギリギリのところを狙ったというイメージではありました。Listeners ×Takao Minamidate ×Shuichiro Okano21下顎前歯部の歯槽骨が薄い症例でしたが、Ⅱ級ゴムの作用による前歯部への影響はどのようにお考えだったのでしょうか?Ⅱ級顎間ゴムの強さを教えてください。挺出の際のように強い顎間ゴムを使用しますか?リスナーからの質問と回答Q&A

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る