123CLASS IFINISH両側ともにⅡ級の骨格性開咬を認める。側方歯のバッカルジェットが小さく、大臼歯頬側咬頭における咬頭干渉が認められたためアーチコーディネーションを行い、この干渉を除去することで下顎のオートローテーションによる前歯部のオーバージェットおよびオーバーバイトの改善を図った。下顎のオートローテーションに加えて、セカンドClinCheckにおいて上顎臼歯部の遠心移動を行うことにより、両側ともに非抜歯でのⅠ級仕上げとした。小臼歯抜歯により前歯の傾斜移動と相対的挺出を図ることや、臼歯関係を改善することも考慮された。しかし本症例では、側貌の維持と下顎前歯部の歯槽骨の唇舌的な薄さを考慮して、下顎のオートローテーションを主体とした症状改善を図った。イニシャルClinCheckではオートローテーションを図り、セカンドClinCheckでは残存するⅡ級咬合を改善するための上顎歯列の遠心移動を行った。このようにイニシャルClinCheckとセカンドClinCheckにおいて達成すべき目的を明確に分けている。上顎歯列の遠心移動におけるⅡ級顎間ゴムの使用に際しては、反作用による下顎前歯部の歯肉退縮に十分注意する必要がある。Shohei KomatsuCLASS IFINISH10CASE 1 ― CLASS II OPENBITE治療計画とポイント本症例のポイントACTUAL PLAN
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