1歯まずはプロービングで確認しましょう!12 患者が「痛い!」と訴えて歯科医院に駆け込んで来ました.歯周病を主訴とした症状はさまざまですが,そのなかでも疼痛をともなう症状は「歯肉の腫脹」と「歯の動揺」です.痛みの原因は何でしょうか? 「歯肉の腫脹」は,歯周ポケットからの感染が歯周組織深部に波及し,化膿性炎症が根面に沿って進行し,膿瘍を形成して「歯周膿瘍」となります(図1a,2a,3a).歯周膿瘍は急性と慢性の症状を呈します.急性歯周膿瘍の場合には激しい疼痛をともないますが,慢性歯周膿瘍の場合は,違和感や鈍痛を感じる程度であったり,あるいは無痛に経過したりすることが多々あります.また,歯周膿瘍の形態は,膿瘍周膿瘍の原因となる歯には必ず深いポケットが存在します.一瞬の見極めが患者との信頼関係につながります.よ~く診て,じっくり話を聴いていくと症状の原因がわかってきます.さあ,名医になる第一歩です!が形成されて骨を貫通し,表面に通じて瘻孔が認められる場合と,深いポケット内壁に膿瘍が形成され,辺縁歯肉が腫脹する場合があります.エックス線写真を撮影した場合,典型的な所見であれば腫脹や瘻孔がみられる歯には重度の骨吸収が認められます(図1b,2b,3b).しかし,必ずしも明瞭に骨欠損が確認できるとは限りませんので,エックス線写真を鵜呑みにするのは避けましょう.Author’s(1) 歯肉の腫脹→“うわぁ〜 歯肉が腫れている!”comemtn歯周疾患が原因の疼痛
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