症例A-3:メンブレンの設置.39My Choice!■使用メンブレンサイトプラスト TXT-200 SINGLESタイプ:ノーマルタイプサイズ:12×24mm図15 骨補填材料填入の後に非吸収性メンブレン(サイトプラスト)を設置したところ.通常,メンブレンの近遠心幅は抜歯窩に対して広いので,片方を入れて骨補填を行った後,近遠心のメンブレンを少しずつ粘膜下に挿入していきながら,もう片方を入れるとやりやすいことが多い.図16 フラップのテンションが強いなどの理由でメンブレンが挿入しづらい時は,ボーンキュレットや細めの剥離子の腹を使って粘膜下で押し込みながら入れていくとやりやすいことがある(骨膜剥離する時とは上下反転させて使う).(画像:ヒューフレディ・ジャパン合同会社提供).■使用骨補填材料ガイストリッヒ バイオオス Spongious granulesサイズ:0.25~1.0mm(Sサイズ)量:0.15g補填してもよい. 骨を補填する時も,填入しにくかったり見えづらいところから始める.複数根の抜歯窩であったり,アンダーカットの有無であったり,単根でも頬側や舌側,近心や遠心など,アクセスが困難なところは症例によって異なるので,その都度確認する必要がある.やりやすい方から始めると,難しいところがもっと難しくなる.また,一気に大きな塊を入れるのではなく,少量ずつ周囲骨壁に敷き詰めるイメージで填入していく. また,近心は隣在歯に隠れて直視できないことから補填が不十分になりがちなので,ミラーでいつも確認しながら骨補填を忘れないようにする.きちんと骨補填できているか,縫合前にデンタル撮影を行って確認したほうがよい場合もあるかもしれない. 骨欠損がある場合は,その端のメンブレンを先に入れると骨補填材料の填入時の壁ができるイメージで欠損部も色調において視覚的に確認しやすくなりメリットがある(図17).逆に骨補填の後にメンブレンを入れるとメンブレンの挿入先は深部で骨補填材料と混ざって境界が見えづらくなり,欠損側の粘膜を大きく剥離してなければ補填材料が欠損の外にあふれたり,型崩れが起こる. メンブレンの設置が終わると縫合の前に,メンブレンの下部に死腔がないかを確認する.死腔が残っていると治癒が悪くなったり,感染してしまうこともある.剥離子など片面が半球状の器具で押さえたり,指でドーム状になるように形を整えたりしながら,死腔がないことや粘膜がメンブレンをきちんと覆っており辺縁封鎖性も確保できていることなどを確認する.死腔が残っている時は,上から抑えるとペコペコする. フラップと縫合でメンブレンが固定できるならボーンタックは不要なので,基本的には使用していCHAPTER 5 基本的な術式とその特徴
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